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2018.10.06 変態ヒロイン羞恥淫欲晒し  # 4-4 『会議』
変態ヒロイン羞恥淫欲晒し 楠響子の場合
短編 # 4-4 『会議』


何着か持って着回しているいつもの白いスキニーパンツ。豊満なヒップラインに、女性らしい柔らかく肉付きのいい身体のライン。それに白いジャケット姿。

その日は、不定期に開催される「第7類行方不明者対策会議」の日だった。
政府が非公式に開催する有識者会議である。第7類行方不明者とは、半妖被害にあった行方不明者のこと。

響子はそこで政府にジャスティレイファーの活動を報告し、支援その他の援助が決定される。それははるか昔から代々続く時の権力者とジャスティレイファーと呼ばれる退魔巫女との支援関係だった。

夜、首相官邸。地下。秘密裏に行われるその会議室に赴く。
ここ数年は政府の立場でジャスティレイファーを支援する鷹司恵那への相談会といった雰囲気と化していたが、孤独な立場にある響子にとって、心休まる時間でもあった。
地下の不思議な構造の薄暗い廊下の奥にある、元は倉庫だった部屋を改造したかのようないつもの簡素な会議室。蛍光灯も古いのか光量が少なく、否が応でも昭和を喚起させる。

鷹司は響子と年齢も近く、普段から無愛想ではあったが、響子の心情や立場をよく理解してくれていた。この頃の優秀なジャスティレイファー達が立て続けに堕ちてしまったことも前回報告済みである。だから、今回の開催の連絡は普段より期間が短いとは思ったが、断る理由などどこにもなかった。

鷹司は小柄ながら落ち着いたダークネイビーのスーツ姿で凛としていつもこちらが現れるまで立って待っている。いつもながら変わらず無愛想だが、どうやら笑顔を作ってくれているようでもある。

「楠さん、今日もご苦労さまです。さて、最近は…言われなくてもある程度は想像がつきますが」

「はい、、門馬小絵が堕ち、それからは優秀な素質者二人、暁結衣と四条美羽に期待をかけ…ただ、事件の件数自体は減っているかと」

「そうですか。件数が落ち着いているのであれば何よりです」

「ほんと…それだけは良かったと…はぁ」

「おつかれのようですね。実は今日は、紹介したい人がいます」

「え?」

対策会議と言っても、いつも鷹司と二人きりだった響子にとっては寝耳に水の話だった。そして、鷹司が横に視線を向けると、少し離れた席にまるで気配を感じさせず、大きめの眼鏡をかけた中年の男が座っていた。

「はじめまして。楠響子さん。噂に違わずお美しいお人だ」

まだ立ったまま話していた鷹司と響子を前に、初対面にも関わらず自分ひとり座ったまま、明らかに不躾に体中をジロジロと眺めてくる。響子にとっては嫌悪感しか催さない対象だった。いい歳をしてそのような視線の制御すらできない時点で、人としてすら認めがたい。

「鷹司さん…この人は…?」

「私も忙しくなりました…。少し、この仕事を離れることも多くなります。心配は無用、この蛭沼は生体科学にも明るく、仕事はできる男です。男性ということで少し報告しにくさはあるかもしれませんが…我慢してください」

「そう、、ですか…」

「それではわたしは…ごきげんよう」

そういうと鷹司恵那は会議室を出ていく。
渋々、響子は蛭沼と呼ばれた男の眼の前に一つ椅子をずらして座る。

「蛭沼です。これからあなたの担当となりますのでよろしく。さっそくだが、楠さん、これまでもずいぶんご苦労をされたようだ。鷹司から聞いています。誠に残念だが、ジャスティレイファーとは代々そういったもの。だが、半妖殲滅に少しづつ成果はあがっているとも聞いています。そうなのですか?」

「上がっている、と言えるかはわかりませんが、件数は減り、下級の半妖も確実に姿を見なくなってきています」

「そうですか…。それは良かった。だが、、楠さん…、」
じろりと眼鏡の奥から視線を向けてくる。

「聞きましたよ。優秀なジャスティレイファー達が、そう…変態マゾ牝豚に堕ちたと。」
「え、ええ…それは…そう…ですが…」

「新堂佐織里が稼働を減らしているのは…公衆の面前、とでもいいますか、外ではしたない行為に興奮を覚える変態露出マゾになったから。水神音羽は…あろうことか女性型半妖に欲情しレズ行為に走る痴女に堕ちた。さらに…最強と謳われた門馬一族の切り札、門馬小絵は最低の豚、どうしようもない家畜マゾに堕ちたとか」

「っ…それは…」
自らが鷹司に伝えた内容を下卑た言葉で飾り立てている。
なぜこんな男が鷹司さんの代わりに…。いくら支援してくれる政府機関の者であるはずとは言え、そう思わずにいられない。

「一度、アジトにご案内いただけませんか? そのジャスティレイファーの素質者とやらをこの目で見たい。そんなふうに変態マゾに堕ちてしまうなんて…なぜなのか。そこから探らないといけないのでは?」

「っ…アジトに…? それは…無理です」
もっともらしい理由をつけながら、目も顔つきも卑猥な好奇心が浮かんでいるのを隠せていない。

「ジャスティレイファーっていうのは、優秀な素質者とやらも…。変態マゾの集団なんですかねえ…。」
「何を…言うんですか」
「だって、そうなんじゃないんですか? だれもかれもが変態性欲に…半妖相手に堕ちた」
「ふざけないでっ! 帰らせていただきます。アジトになど、ご案内することはできません。鷹司さんがなぜ貴方のような人を使っているのかわかりませんが、軽々しい卑猥な言葉は謹んでもらえませんか」


「そうですか…ふふふ。私は怒らないタイプだ。ジャスティレイファーとやらを支援する必要もある。また、近々開催させて頂くとしましょう。その際はじっくりとね…ふふふ」

響子はさっそうと白いジャケットを翻し、その場を後にした。

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