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2016.01.26 変態ヒロイン羞恥淫欲晒し  # 4-1 『役目』
変態ヒロイン羞恥淫欲晒し 楠響子の場合
短編 # 4-1 『役目』


楠響子の役目。
それは代々続くジャスティレイファーを体系的に組織化し、進化する半妖に対抗するため、新しい技術の開発を行い、人々を、女性を半妖から守り続けること。全ては、半妖を全て滅ぼすその日まで続く飽くなき抵抗のため。
しかし、自分の知る限り数百年以上続くとされる戦いに終わりが来る日は果たしてあるのか。ジャスティレイファーをまとめ上げる心労からなのか、そんな考えが湧き上がり、無理やり蓋をしながら過ごす日々であることもまた、否定できていなかった。

響子は30代も半ば近くにさしかかりながら、もちろん、結婚もしていない。したいと思ったことすら無かったし、自分が家庭を持つという想像など出来るはずもなかった。ジャスティレイファーの組織はそれ自体がもう家族のようなものであったし、過去から綿々と受け継がれる正義の系譜を、自分の代で絶やすわけにはいかなかった。

素質者の数は昔から極稀であったし、危険な戦いに多くのものを巻き込むわけにも行かなかった。結果、組織は常に小規模のまま、局地的なゲリラ戦とも言える戦いを続けることになり、組織は構造的疲弊を起こしていた。半妖は決して目立ちすぎる動きをすることはなく、あくまで日常の陰に暗躍し、行方不明者を年間に数100人出す程度とされた。
それゆえ、国からの支援も限りがあった。そんな中、体系的な技術を転用して強化スーツの開発を続けていくこと。そして素質者たちを守り、アジトを維持していく。いつ終わるか分からない、いや、きっと終わることのない戦い。


そして、最強と謳われた小絵の身に何かが起きた。
結衣は多くを語らなかったが、ジャスティレイファー、退魔師に何かが起こるということ、それが何であるかは、今までの経験を持たずしても明快だった。

今までも、ジャスティレイファー、そして素質者に多く見られたこと。
門馬小絵は、堕ちた。


それも、あれ程までに最強を誇ったジャスティレイファーが堕ちたのだとしたら、その反転は通常のジャスティレイファーとは比べ物にならないはずだった。
受け入れがたい言葉…ジャスティレイファーが決してなってはいけない存在。


変態マゾ牝豚。
そう言われる惨めな存在、半妖に見下されイイように弄ばれる最底辺の存在。
それはどう注意しようとも注意のしようがなかった。今までも代々そういったことが起きたというのは、響子を始め一部のジャスティレイファー関係者しか知らない極秘事項であった。


響子の遠類にあたり、響子の先輩であり友人でもあった門馬早苗。
彼女が後年、何かを隠していたことは響子も薄々気づいていた。最強の退魔巫女一族、門馬の血、そして最強のジャスティレイファーとなった早苗。門馬家が襲撃を受け滅び、一族に伝わっていた対半妖の幾つかの切り札が失われたこと。
そこに…早苗自信の裏切りが絡んでいたこと…。早苗もきっと、堕ちていたこと。ジャスティレイファーでありながら、半妖の…ド変態マゾ牝豚と言われる家畜のような存在に。

目を潤ませ、響子は唇を噛む。
また、門馬小絵も堕ちてしまった。同じ過ちを…繰り返している。
なぜ、ジャスティレイファーは一般人よりも殊更、その行為、その最底辺の状態から抜け出せなくなり、堕ちてしまうのか。

響子自身、身を持って知っているはずのことであった。
どうして…それが止められないのか…。
「それ」を思い出すたび、下半身がジクジクと疼く。
ジャスティレイファーにも、素質者にも、誰にも言えない疼きだった。

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